1976年生まれ。なんともいえないイラストやモチーフで、書籍や広告、グッズなど幅広く活動中。著書に『かんさい絵ことば辞典』（パイ インターナショナル）、『かきくけおかきちゃん』（大福書林）、『くらべる・たのしい にたことば絵辞典』（PHP研究所）などがある。

———今回の作品のテーマや制作でこだわったことを教えてください。
遊びがテーマということで、当初は「イラストの中に遊び要素を入れても面白いな」と思って案を考えていました。あえて文字を隠してみるなど、遊び要素を入れてもいいかなとイメージしてましたが、今回のコンセプトからシンプルに飾ってたいなと思える作品にと、絵の中に遊んでいるシーンを入れようと発想を変えたんです。日常の中でいろいろとアイデアを浮かべながら、いろいろ描いてみながら作っていきました。そして最終的に決まったタイトルが「つぼにはまってぬけられない人たち」。自分らしく、ちょっと変わった遊びをイラストで表しています。ツボを使った遊びという、なんとなく日常の様子でありえそうなシーンをイメージし、数人のキャラクターを登場させてそれぞれ違うツボの遊び方をしている様子を表現しています。
-今回の作品の印刷技法についてはどのようなものを使っていますか？
部屋に飾る作品ということで、自分でも飾りたいものを制作時に意識したんですが、最終的にシンプルな黒の線画になりました。シンプルなので、印刷で少し個性が出ればと相談させてもらったところ、「デボス加工」をご提案してもらいました。デボス加工を加えることで、シンプルなイラストに凹凸をつけて、立体感ある絵に仕上げることができたので、実際の絵を見てもらいたいですね。

（インタビューZineより一部抜粋）

1998年広島県生まれ。2020年 東京綜合写真専門学校を卒業後、東京を中心にフリーランスとして活動を開始。これまで雑誌・ファッション・WEB等さまざまな媒体での撮影や、並行して作品の制作・写真展の開催など、作家としても精力的に活動している。

———今回の作品の制作過程や作品の印刷技法はどのようなものでしょうか？
作品の主題は、幼少期にしか出せない「子供心溢れた遊び」。今回のテーマである遊びについて、どんなものにするか考えていたのですが、親戚の家に帰る機会があって。そこで、親戚の子供がベランダに用意したプールで遊んでいたんです。その様子を何気なく撮っていたのですが、ホースから出ている水で、子供が無邪気に遊ぶ姿に「日常の中の偶然性」を見出した。水の光の煌めきや手の動きを意識して撮っていましたが、自分の家に帰ったときにイメージが膨らみましたね。写真用紙はいつも半光沢紙を使っているんですが、今回はミラーコートの紙を使っています。水の煌めきの美しさも、時間が経って色あせていくのもまた味が出ていいのではと感じています。（インタビューZineより一部抜粋）

1985年生まれ。多摩美術大学大学院修了。書籍、雑誌、広告等でイラストレーションを手がける。最近の仕事にポール・オースター「サンセット・パーク」（新潮社）装画、伊勢丹メンズ館「ISETAN HOME HOTEL」キービジュアルなどがある。受賞歴にHB FILE COMPETITION 2018 副田高行賞など。

———今回の作品の主題や制作過程でこだわった点について教えてください。
今回の作品の主題は「PLAY WITH DOG」。遊びがテーマだということで、過去も現代も未来も普遍的な遊びって何だろうと考えたとき、動物って生き生きしていいなと思ったんです。そこで、犬とボールが戯れるような自然な感じをグラフィックで表現しました。なんか設定として精一杯遊んでいる絵面というよりも、犬がボールに対して反応しきれてないというような、予定不調和な間合いも意味的に面白いかなと思って採用しました。無機質な図形でありながら、全体を引いて見ると犬の足のようにも見える。図形を組み合わせ、コンポジションを意識して、色々と試行錯誤しながら形にしていきましたね。印刷技法については活版印刷を選びました。原画ではなくポスターなので、印刷物としての佇まいや風合いを活かしたいと思いました。紙は目がきめ細かく、厚めで活版がよく食い込む「特クッションA」を使用し、3版で刷っています。グレーに見える色は黒にシルバーインクを混ぜ、鉛が食い込んだような印象にしました。光の加減によって見え方も変化するのでモニターには出ない物理的な魅力を引き出しました。ピンク、グリーンのインキはこのシルバーグレーの明度に対して拮抗するような発色、コントラストになるよう、何度も調整しながら刷りましたね。その紙にインクが乗って、コントラストを楽しめるような作品に仕上がっていると思ってます。（インタビューZineより一部抜粋）

1993年生まれ、愛知県出身。東京藝術大学デザイン科大学院を卒業後、コズフィッシュに所属。展覧会や書籍・広告のデザインをしながら、豊かな生活をおくることにつとめる。主な仕事にPARCOの広告、雑誌『装苑』のデザイン、ZUCCaのブランドブックなど。また個人でもアートブックなどの作品の制作・発表をしている。

———今回のPostarteに出す作品についての主題や制作にあたってこだわったことについて教えてください。
部屋に飾る絵、という前提からどんなものにするかを考え始めました。飾るのであれば、どこに飾っても同じように見えるのではなく、置いた場所によって、色の写り込み方や光の入り方によって、印象が変わるものになれば面白いなと。そこで、ミラーのような箔を使うことに決めました。主題は「いつもの朝」。毎日毎日同じような日が続くけれど、お天気も湿度も毎日違う。この絵が見るたびに違う表情を見せるように、自分の毎日もいつも新鮮な1日である、という思いを込めました。はじめはパソコン上でおおまかな色や形のラフスケッチをします。そこから、コピー用紙とペンや鉛筆を用意して、手書きで仕上げていきました。

———今回の作品で用いた印刷技法は何かこだわったポイントはありますか？
ミラーを題材にしていたので、箔押し加工をメインの技法としました。どのくらいキラキラするか、反射するのか、箔の種類など、いくつも検討しましたね。反射率が高いけれどギラギラしすぎて下品になってしまうものや、鈍くて綺麗だけれども反射が弱すぎるものなど…。 バランスを考えながら、質感を出すことを意識し、部屋に飾ったときに一番美しく見えるようなものを考えました。

（インタビューZineより一部抜粋）

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。マガジンハウス雑誌「POPEYE」をはじめ、挿絵や装画、PRビジュアルなど国内外から手がける。2020年、HB File Vol.30 日下潤一特別賞／第22回グラフィック1_WALL 上西祐理奨励賞／第215回ザ・チョイス入選

———今回Postarteに出す作品の主題やこだわったポイントなどあれば教えてください。
タイトルは「激情採集」です。最初は海外旅行など、自分の遊びを表現しようとしたんです。でも、色々考えるうちに「遊び」という概念を「昆虫」に置き換えて、新たに楽しさを捕まえるということ、既に持っている楽しさを大切にするということを擬態化して描くようにしました。蝶々は綺麗で可愛く象徴的だったので選びました。今回、印刷技法を色々と試せるということだったので、絵から「もふもふ」を感じるような技法に挑戦しました。絵のテーマが「遊びを捕まえる」という表現に対して、網目からはみ出ている感触を味わえるような、そんな作品に仕上げてみました。制作過程は、どの作品も構図を考えたりテーマを考えたりするのに1～2週間、実際に書き上げるのは1、2日くらいですかね。タイトルからして、どんな作品なんだろう？と興味を持ってもらえると思うので、ぜひ観ていただけたら嬉しいです。

（インタビューZineより一部抜粋）

1997年大分県生まれ。東京都を拠点に活動。長岡造形大学卒業。紙に描いた筆跡を切り取り、再構成するドローイングの制作をしている。また、出来上がったドローイングをさらに写真に収め、編集を加えることでイラストレーションと写真の中間表現を試みている。第209回The Choice入選（大原大次郎氏選）。

———今回の作品は何を意識して作ったんですか。また制作の過程でこだわったことがあれば教えてください。
テーマが遊びだったので、自分の好きなイラストの絵を描きたいと思い、考えついたのが植物でした。もともと植物園に行ったりしていたし、散歩するときも自然と花に目がいくんですよ。じゃあどんな植物を描こうかと考えたときに、そういえば以前、造花のような作品を作ったことがあったのを思い出した。これをもとにしてイラストで表現してみようとアイデアを膨らませていきました。制作過程で特にこだわったのは、形を抽象化していく中で、ディテールをそいでどんどん抽象化させたこと。モチーフとなる植物とかけ離れ、元がどんなものかわからないような、抽象化していくことに興味があったんです。うまく言葉では言い表せないですけどね（笑）。元のモチーフを抽象化していくことで、元のものとは違うものになる。そうすれば、見え方も変わって、新しい見え方が生まれる。このような意識を持って、作品として仕上げました。

———今回の作品で用いた印刷技法はどこに興味を持ちましたか？
印刷技法はあまり経験なかったので、前からやって見たかった技法に挑戦してみました。CMYKカラーのうち、マゼンダの部分を特色にして印刷するとどんな仕上がりになるか興味があったんです。なぜそのような技法を試そうと思ったのかというと、植物の緑の中に、赤い花が目立つように表現したかったから。アクセントとなる特色を入れたらどんな表現に仕上がるんだろうという、半ば実験感覚を持って印刷技法を選びましたね。

（インタビューZineより一部抜粋）

1992年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。継続して、都市をテーマにした作品を製作。

———今回の作品の主題や制作過程でこだわったこと、意識したことを教えてください。
遊びがテーマと伺ったので、まず最初に浮かんだのが公園でした。今年宮下公園が新しくなったと聞き、気になっていたのでまず見に行くことにしました。公園といえば老若男女だれもが無料でくつろげるというイメージでしたが、宮下公園は若いカップルや家族連ればっかりで、キラキラした雰囲気の人しかいなくてそれが逆に気味が悪かったです。「誰も」が「無料」でアクセスできるとなると、もっとごちゃっとした雰囲気になりがちですがそうではなかったです。選んだ写真は見返した時に、とても潔癖的な空間で、ゴミだけ隠しきれていない様子がこの公園の実情を表しているようで気に入っています。今回はポスターなので、オリジナルプリントのようなアウラがあるものというよりは親しみが持てるような方向性にしました。あとは自分の写真的にはツルッとした雰囲気が合っていると思ってるのでそのような印刷と加工になっています。

（インタビューZineより一部抜粋）